枝をためる

華道家を目指すうえで大切なことの一つに「ため」というものがあります。いけばなは、「ため」が重要な要素となるのです。

ためは、曲げる・形を作ることを指しており、江戸時代から既にいけばなの世界では常識というテクニックと言われています。ためは、カーブをつけたいときや、逆にカーブを真っ直ぐにしないときに使われます。このテクニックを使えるかどうかで、枝や花の印象が大きく変わってきます。ためが分かりやすいものとして、ヤナギ類が挙げられます。ヤナギ類の枝にはしなやかさがあるため、ためることにより柔らかな曲線を生み出すことができます。ヤナギなどの植物は、枝を両手に持ち握るように曲を作ります。これは握りだめと呼ばれる華道の中でもポピュラーな方法です。ねじって中の繊維を切る「ねじりだめ」は、両手でねじりながらためる方法です。少しだけ向きを変えたいという場合に使われ、折れやすい枝を扱う場合に有効です。「切りだめ」は名前の通り、曲げたい場所にハサミを入れます。ねじることも握ることもできないような太い枝のときに行います。
ための方法は花材によってさまざまであり、花材の性質によって臨機応変に変えていかなくてはなりません。どの方法であっても、やりすぎては枝が折れてしまいます。枝を折らない・傷つけないことを念頭に置いて、あくまで演出をする程度に行うことが「ため」のテクニックです。力加減は、あくまで自分で経験をしなくては難しいでしょう。さまざまな花材に触れて、ベストな力加減を学んでいきましょう。不安があれば、余った枝などで練習をしてみることもおすすめです。いけばなではもちろんですが、フラワーアレンジメントでも使うテクニックです。華道家に限らずフラワーアーティストでも利用できるでしょう。

補足ですが、作品の全体像を確認しながら、ためた枝を足していくという方法が多いそうです。